日本語教育
いつも授業お疲れ様です。
国内外で日本語教師を8年経験し、現在は日本語学校から営業職に転職しつつ、プライベートレッスンを継続しています。
今日のテーマはペアワーク成功の秘訣というテーマで書きます。

ペアワークとは?

ペアワークとは、教室活動で、学習者が運用したり、アイディアを出したりするときの活動です。
教室活動の中で適宜入れていくことで、
教師の発話を抑えたり、学習者が日本語を運用する時間を確保したり、
考えをまとめるきっかけとなります。

ペアワークの必要性

大学の講義ならまだしも、日本語教育の現場では「いかに運用させられるか」が重要なポイントとなっています。
双方向の授業を展開するためにも、ペアワークの時間は是非とも確保したいものです。
それではここからペアワークを成功させるためのポイントを紹介します。
ペアワークの時間を確保しているのに、いまいち手応えがないと感じる場合はぜひ参考にしてください。
順番に解説していきます。

1.例示が適切か

まず、例示が適切かという点ですが、
意外とここができていないケースが多いです。
私も、これぐらいの導入なら学習者はできるだろうと
早い段階でペアワークをさせることがありました。
そうではなく、このレベルの学習者ならどんな点につまづくか
想定おく必要があります。
心配ありません。この想定力というのは、
失敗経験を積まなればつかないので、
まずはトライしていきましょう。
具体的に学習者に
・どんな文型を使って
・どんな語彙を使って
・どれぐらいの長さか
教師が例示したいものです。
会話をさせたい場合は、
Aパート、Bパートどちらもやって、
最終的には学生同士にやってもらい、
それができているか確認した上で、ペアワークに移ったほうが良さそうです。

2.ペアは適切か

ペアの組み方の問題ですが、ペアワークを成功させるための重要な要素です。
クラスの人間関係、
国籍、言語、日本語能力のレベル差など
様々な要素を考慮する必要があります。
同じ国籍のペアなら、お互いサポートしてくれますが、
関係ない話をするというリスクもあります。
またあまりにも日本語能力の差があるペアは、
片方がストレスになる場合もあります。
うまくいかない時は、
同じクラスを担当している他の教師に
様子を聞いてみてもいいかもしれません。
何かヒントが得られるでしょう!

3.時間は適切か

慣れないうちは、説明や、導入にもたつき、
ペアワークの時間を確保できないということが多々あります。
後から、あの説明は削ればよかったとか、
丁寧に導入しようとしたがために、
返って混乱させてしまったということが起こります。
導入、練習、フィードバックまでを
ペアワークの一まとまりとして考えるなら、
十分に時間を確保する必要があります。
準備の段階で、
ここにしっかりと時間を残す計画で、
逆算して、タイムマネジメントしたいものです。

4.タスクは適切か

上記をクリアしていても、ペアワークがうまくいかないことがあります。
それは、タスクの難易度が簡単すぎる、あるいは難しすぎるということです。
また、練習のためのタスクになっている場合も失敗します。
例えば、「〜てください」を使った会話文の空欄を入れて覚えるなどです。
練習のための練習となっていて、
最終的には、教室の外では使えません。
もちろん練習段階ではそのような機械的な練習も必要ですが、
最後は自分でいかに、いかに日本語をプロダクトできるかが大切です。
その仕掛けをこちらとしては用意したいです。
実用的かどうかという目線でタスクを見直してみましょう。

5. 座席のデザインは適切か

ペアワークがしやすい座席のデザインになっているかも重要な要素です。
例えば、人数の関係で、ペアのうち一人だけ、
椅子がなく、立っている。
あるいは、狭いところに、複数のペアがいるなどにも気を遣いましょう。
些細なことかもしれませんが、
タスクに集中できる環境を整えることも、
ペアワークをするときの重要な要素です。
教室の机の配置を思い切って変える日もあってもいいでしょう。
普段は、机は教師向きになっているのを、
活動中心の日はペアワークに集中できるように、机をばらけて配置させたり、
カタカナのコの字型にすることもありました。
ちょっとした空間デザインで変わるでしょう。
以上、ペアワークを成功させる秘訣についてまとめました。
ペアワークを改善させたいとお考えの皆様のヒントになれば幸いでございます。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。

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