初級日本語クラスで発話を促す三つのヒント

日本語教育

タイで3年、国内専任講師4年目のchailandです。

日本語教師になりたての時、

初級日本語クラスでどうやって発話を促すか悩んでいました。

今回は、初めて初級クラスを運営する方、

日本語教員養成講座の実習を控えている方向けに記事を書きます。

私もこの記事を書くことで復習したいと思います。

 

結論

①教師から話さない
②何を話せばいいか例を見せる
③学生同士で話させる

以上三点を意識するだけでかなり学生の発話が増えることでしょう。

まずは一つ目

①教師から話さない

というポイントについてです。

例えば、「犬」という語彙を入れようとします。

その時に、いきなり教師が「これは犬です。」と言ってしまいがちですが、

そこを我慢して、スッと写真だけ出して黙っておくのです。

すると、知っている学生が「あ、犬だ!」「可愛い!!」と言ったり、

「dog」など英語で言ったりすると思います。

それから、「犬」という言葉を教えます。

「この先生は私たちが話すのを待ってくれる」と思わせたら、

どんどん発話してくれるようになります。

 

②何を話せばいいか例を見せる
次に、何を話せばいいか例を見せるということです。
例えば、冒頭で、
「先週の週末、何をしましたか?」
と聞かれたら、学生はどう思うでしょうか?
コミュニケーション能力が高い学生なら、
難なく答えられるでしょう。
例えば、
「先週の週末、アルバイトをしました。
アルバイトのあとで、日本人の友達と晩ご飯を食べにいきました。
とても楽しかったです。」
とまとまった文で答えてくれるでしょう。
しかし、
多くの場合、
学生がなんと答えたらいいかわからず、話せない。
あるいは、こちらが思っていたのと違う答えが返ってきた。
ということになります。
なので、質問をふる場合は、まず以下のように
こちらが例を見せると答えやすくなります。
私は週末、友達とテニスをしました
疲れましたが、楽しかったです。
テニスのあとで焼肉を食べにいきました
とても美味しかったです。
◯◯さんは、週末、何をしましたか。
勘のいい学生は
「ああ、昨日勉強した (・・のあとで)を使えばいいのか。
感想を言えばいいのか」
と発言内容を予想してくれます。
意外と突然質問ふってしまうとお互い困るという事故が起きるので、
注意が必要です。
そして最後に
③学生同士で話させる
ということです。
集団授業でありがちなのは、以下の二つ
①教師が全体に向かって質問をしている
②教師と1人の学生だけ話す
①の場合、クラスでよくできる学生だけ話し、
消極的な学生や定着に時間がかかる学生が発話する機会がありません。
結果的に、クラスのレベル差がどんどん開いてしまうことになります。
②の場合、
話している1人の学生はいいですが、
他の学生を待たせてしまうことになります。
教師と1人の学生とのやりとりで留めてしまうのではなく、
そのやりとりを学生同士でさせることです。
例えば、1人の学生に以下のように話します。
私は週末、友達とテニスをしました
疲れましたが、楽しかったです。
テニスのあとで焼肉を食べにいきました
とても美味しかったです。
◯◯さんは、週末、何をしましたか。

〇〇さんは以下のように言います。
「私は週末、アルバイトをしました。
アルバイトのあとで、日本人の友達と晩ご飯を食べにいきました。
とても美味しかったです。」
じゃ、▲▲さんにも聞いてください。
「▲▲さん、週末何をしましたか。」
といった具合です。
そうすると、学生同士話す時間を確保することができ、
そこでやりとりが生まれます。
もう一度結論をまとめると

①教師から話さない
②何を話せばいいか例を見せる
③学生同士で話させる

以上を実践すれば、

今までより、学生から発話を促すことができるでしょう。
stand.fmという音声配信アプリでは、
毎朝日本語教育について、
語学学習について話していますので、
よろしければこちらも聞いてみてください。

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